「材料モデルベースリサーチプロジェクト」の中谷特任助教を含むチームが、「令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。
受賞したのは「科学技術賞 開発部門」で「モデルベースリサーチ技術を活用した革新断熱吸音部材の開発」の業績が認められての受賞です。
表彰式は、令和7年4月15日(火)に文部科学省3階講堂で行われます。
【受賞者】
中谷 都志美(広島大学デジタルものづくり教育研究センター 特任助教)
【共同受賞者(〇は筆頭受賞者)】
〇桂 大詞(マツダ(株)技術研究所 研究長)
山川 啓介(マツダ(株)技術研究所 主幹研究員)
山本 崇史(工学院大学工学部機械工学科 教授)
稲葉 賢二(東北大学未来科学技術共同研究センター 学術研究員)
【業績名】
モデルベースリサーチ技術を活用した革新断熱吸音部材の開発
【業績概要】
近年、様々な業界でカーボンニュートラル(CN)実現と安全快適性向上との高次な両立に取組まれており、断熱省エネと騒音問題を解決できる高性能な断熱吸音部材を実現することは、全産業界の技術発展に貢献できる。高性能部材の実現には、計算技術の活用による機能予測型の技術開発プロセスが不可欠であるが、断熱吸音部材では計算技術の予測精度・計算コスト共に不十分で、未だ実験主体の試行錯誤型開発となっている。
本開発では、断熱吸音部材の技術開発プロセスを変革するため、材料モデルベースリサーチ(MBR)基盤技術として、実部材の微細構造分析・解析技術と、部材の複数機能を同時に性能予測できる計算技術を創出し実用化した(Fig.1, Fig.2)。
本開発により、高い断熱&吸音性を最小限の原料使用量で得る世界トップレベルの自動車向け断熱吸音部材(従来比で各性能1.2倍、重量35%低減、コスト75%低減)を実現し、2020年以降、快適性向上・軽量化・CO2排出量削減へ貢献している。
本成果は、特殊な計算環境やスキルが不要で、中小部品メーカでも実用できる汎用性の高い技術であり、鉄道車両、航空機、建築、家電、工作機器、医療機器などの様々な業界で、快適性向上、CN実現に寄与している。


参考URL(文部科学省報道発表)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01503.html